英検準1級に合格するのに文法は必要なのかニャン?
めちゃくちゃ必要だよ。その理由と特に必要な単元を説明するよ
英検準1級では直接的に文法の問題は出題されませんが、文法力は、リーディング、リスニング、ライティング、単語問題、2次試験すべてで得点を上げるカギとなります。
今回は、英検準1級に合格するための文法の重要性、必要な範囲、レベル、さらにおススメの教材を解説します。過去問からの例文には日本語訳を付けて、理解を深めやすくしました!
英文法の重要性:なぜ準1級で文法が必要なのか?
文法は、英検準1級では直接問われることはないですが、すべてのセクションで得点を上げる基盤となります。
リーディング:複雑な構文理解が得点のカギ
リーディング問題では、文法知識が読解速度と正確性を左右します。以下のような文法構造を理解しないと解答を導くのが難しくなります。
“Made using ground-up mummies” は「粉末状にされたミイラを使って作られた」という意味で、部冒頭のmadeは分詞構文です。
“which came to be known as mummy brown”の”which”は先行詞 “the pigment”に対する関係代名詞の非制限用法です。
“come to be known” この部分は受動態で「ミイラブラウンとして知られるようになった」と解釈します。
リスニング:文脈理解に必要な文法力
リスニングでは、文法的な理解が不足すると内容を正確に聞き取るのが難しくなります。
仮定法過去完了が使われています。仮定法を聞くだけで理解するのは高校生にとってはなかなか難しいところです。
ただ、日常会話では頻出なこの文法を理解することで、話の展開や結果の推測が正確に行えます。
単語問題:文法が語彙力を支える
単語問題では、文脈に応じた単語選びに文法知識が必要です。たとえば、品詞や構文のルールを理解していないと正しい選択肢を見つけられません。
この文では、動詞 “mitigate”(和らげる)を選ぶために、直前のtoが不定詞の形容詞的用法であることを正確に理解することが求められます。
2次試験(スピーキング):文法の正確さがスコアに直結
2次試験では、文法の正確性が採点基準の重要項目です。以下のような応答ができると高評価を得られます。
英検準1級の2次試験(スピーキング)では文法の正確さも採点基準になっています。仮定法や未来形を正確に使い分けることで、説得力のある意見を述べることができます。
すべての技能に文法は関わってくるのだニャン
英語の土台となっているもの、それが文法だよ
文法はどの範囲まで必要か?
英検準1級では、高校卒業レベルを超える文法知識とその応用が求められます。以下の文法は特に英検準1級の合格を目指すためには必須の文法項目です。
英検準1級では、単純な文法だけで構成された文よりも、複数の文法が複雑に絡み合った英文が登場することが多いです。
特にリーディング(長文読解)では、得点のカギを握る重要な部分が、こうした複雑な文法構造で書かれています。
そのため、複雑な文を正確に理解し、素早く処理できる練習が欠かせません。
文型と構文
文型の把握は、すべての問題の基礎となります。次の例題を見て下さい。
英検準1級の長文問題では、関係詞、受動態、分詞構文といった文法が巧みに組み合わさった英文が頻出します。これらの要素が複雑に絡み合うことで、文章全体の理解が難しくなり、読解力が試されます。
これらを文型のSVOCで解釈すると、Richard Ⅲが主語、was portrayedがカタチ上の動詞となっています。
関係詞と修飾構造
英検準1級のリーディングでは、関係詞が非常に高い頻度で登場します。そのため、関係詞を使った修飾構造をしっかり理解することが重要です。
特に、関係代名詞の非制限用法は頻出ポイントの一つです。この用法は文意を補足する役割があり、意味を取ること自体はそれほど難しくありません。
自信を持って解釈できるように、日頃から例文に触れて練習を重ねておきましょう。
仮定法と時制
仮定法や時制の使い分けは、リスニングや2次試験でも非常に重要です。仮定法は難しい文法のように感じられるかもしれませんが、実は日常会話でも頻繁に使われています。
「今、お金があったら新しい服を買うのに」
「もっとイケメンだったらいいのに」
などのセリフは全て仮定法を用いた表現です。
仮定法が理解できていないと、リスニングやスピーキングでつまずく可能性があります。この機会にしっかりと理解し、自分でも使いこなせるようにしておきましょう。
分詞構文と省略構造
分詞構文は、リーディングの長文で頻出する重要な表現です。もともと書き言葉で使われることが多いため、文章を読む際には特に意識しておきたいポイントです。
分詞構文の中でも、「前置詞+分詞構文」や「独立分詞構文」といった応用的な内容まで理解しておくと、長文問題に対する自信が大きく高まります。
これらを正確に解釈できるように、例文を活用しながら実践的に学んでいきましょう。
「on+…ing」は「…するとすぐに」という意味です。
「as soon as S V」を分詞構文で表したものと考えるとわかりやすいです。
受動態
受動態は、フォーマルな英文で使用される文体のため、リーディングの長文で頻出です。受動態のbe動詞+過去分詞には常に注意を払う必要があります。
また単純な受動態ではなく、「受動態+現在完了」「受動態+関係詞」「受動態+不定詞」など複合的な文で登場するのも特徴です。
頻出の英文法を理解しておくと良さそうニャン
複合的な英文を読む練習をしておくと良いね
英文法のレベルはどれくらいか?
英検準1級に求められる文法力は、「高校卒業レベル+応用力」と言えます。特に、複雑な構文や長い文章を正確に理解する力が必要です。
最近の学校教育では、文法よりも会話を重視する傾向が強まっているため、文法の授業を十分に受けていないと感じている人もいるかもしれません。
ここからは、文法単元別に理解度が英検準1級レベルに達しているかを、問題を通じてチェックしていきましょう。次の英文について、SVOCの構造をしっかり理解した上で意味を取れているかを確認してみてください。
この解説は、リーディングセクションでの長文読解対策にも役立つよう構成されています。ぜひ参考にして、実力アップを目指しましょう!
英文はすべて過去の英検準1級の長文問題に出題された英文を少し変えているものです。
SV構造がわかりにくい英文
まずはSV構造がわかりにくい英文がどういうものかを確認しましょう。
関係詞が挿入され主語が大きなカタマリになり、文全体の中の動詞がわかりにくいものは注意が必要です。
関係詞に注意しながらSV構造をつかむようにしましょう。
関係詞が多い文
関係詞が多い文は、どの文がどの単語の説明なのかを理解しながら読み進めましょう。
また、thatは接続詞やIt…that構文など、文のなかでいろいろな役割をしますので、気をつけてください。
関係副詞のwhereのあとに主格の関係代名詞that、そいて関係代名詞の非制限用法のwhichとかなりややこしい英文になっています。
文の途中にある分詞構文
分詞構文では特に「文中に挿入されている」「文末にくる」ものに注意しておきます。
「, +分詞構文」の2種類の訳し方は覚えておきましょう。
ちなみにこの文の
providing farmers with advanced training and equipment could make rural economies more sustainable
はSVがとりにくい構造の文です。
解説すると
となり、同じingでも分詞構文ではなく動名詞であるということがポイントです。
カタチが同じでも役割(品詞)がちがうニャン!
ちゃんと理解しながら読めている高校生は少ないだろうね
英文法の学習におすすめの教材3選
ここでは数ある文法の教材から、特に英検準1級合格に向けて文法を強化したい人におススメの教材を3つ紹介します。
キク英文法 聞いて覚えるコーパス英文法
|
大学入試に必要な英文法212項目を7週間で効率よく習得できる文法書・問題集です。
主要大学やセンター試験の過去問題、コーパスデータを基に厳選された項目で、最短3分、最長9分の1日学習で無理なく進められます。
出版元のアルクが提供しているアプリ「語学のオトモALCO」でも音声を聴くことが可能です。
英検準1級の文法対策として期待できる1冊です。
教材が優れている点
必要な英文法の約9割をコンパクトにまとめた網羅性の高さが魅力で、複数の参考書を使わずに済む。
講義と問題がセットになっており、効率的に学習を進められる。演習系と講義系の教材を別々に用意する手間が省ける。
コンパクトなサイズで持ち運びが便利。中上級者にとって使いやすい内容。
実践的な文法を学べるため、高度なライティングやリーディングのスキル向上につながる。
デメリット
初心者向けではなく、中学英文法が完璧に理解できていない学習者には難しい内容。
文法説明がコンパクトにまとめられているため、深い理解を得るには追加の参考書が必要な場合がある。
どんな人に向いているか
英検準1級を目指している高校生や、英語が得意だった社会人でさらにスキルを伸ばしたい人。
英検1級、TOEFL、IELTSのライティングセクション対策をしたい中上級者。
中学英文法を習得済みで、より実践的な文法力を磨きたい人。
『キク英文法』は、大学入試や英検準1級などの文法対策に特化した問題集・文法書です。7週間で主要な212項目を学べる設計で、1日最短3分から学習可能。コンパクトなサイズで持ち運びやすく、中上級者に最適。
対象は英検準1級を目指す高校生や社会人、中学英文法を習得済みで更に実践力を高めたい中上級者です。
『真・英文法大全』(著:関正生)
|
英文法の核心を明確に捉え、高校英語や大学受験を基盤に、資格試験やビジネス、日常会話、海外旅行など、あらゆる場面で役立つ内容を網羅した次世代型の英文法書です。
スタディサプリの関先生の講義を1度でも聞いたことがある人は、想像しやすいと思いますが、「英文法は丸暗記」という固定概念を叩き崩してくれます。
豊富で多様な例文を通じて、英文法の仕組みを「理解・納得・体得」することを目指しています。従来の文法書にありがちな脱線を排除し、分かりやすく洗練された解説が特徴です。
「文法を使える力」に変えたい学習者にとって、読みやすさと守備範囲の広さを兼ね備えた一冊です。
教材が優れている点
革新的な文法解説で丸暗記を脱却できる。
文法の「核心」となる部分が明確に示されており、それだけを抽出して読むことが可能。
核心の部分は数ページごとに出てきて、全体の分量を1/5程度に絞って学ぶことができる。
ネイティブの視点が取り入れられており、受験用の文法書としては一歩進んだ内容。
3. デメリット
約910ページの厚さと重さがあり、重さと分量の負担は大きいです。持ち運びや学習計画に工夫が必要。
文法事項の網羅性はやや不足しており、他の参考書との併用が必要な場合がある。
英検準2級未満や文法が苦手な人にはハードルが高い内容。
どんな人に向いているか
深く文法を学びたい高校生や英語学習者
受験生や英検準1級を目指す人が、他の参考書と併用する形で使うと効果的。
文法の「核心」に絞った読み方が可能なため、効率重視の学習者にも最適。
「辞書のような」参考書で、幅広い学習者に対応できる一冊です。
ただし、全体を読み通すのではなく、必要な部分を効率的に使うことが重要です。興味があれば、まずは書店で手に取ってみることをおすすめします!
『読解のための英文法』(著:肘井学)
|
スタディサプリの肘井先生がまとめており、英文読解力を高めるために厳選された33の文法テーマを通じて、基礎から発展レベルまで段階的に学べる内容です。
183の例題から始まり、137の確認問題、38の発展問題と豊富な演習を通じて、無理なく実力を養成します。
例題は基本的な英文を採用し、発展問題には難関大学入試問題を掲載。英検準1級とも親和性の高い内容です。
さらに、英文の文構造を図解で示し、解説と併用することで視覚的にも理解を深めます。
英検準1級対策だけでなく、幅広い読解力の向上を目指す学習者に最適な一冊です。
教材が優れている点
英文解釈に必要な「構文」の理解を徹底的に深める秀逸な教材。
「なぜそのような構文になるのか」が具体的に説明されているため、独学でも取り組みやすい。
英文が「左から右にスラスラ読める」感覚を育てる。
初心者向けの基礎的内容から大学受験レベルの高度な内容まで網羅。
偏差値42から68まで成績を向上させた具体例や体験談が提示されており、成果が明確でモチベーションが湧きやすい。
デメリット
演習を怠ると「理解したつもり」になり、実際の問題では解けないという課題がある。
各プロセスが丁寧である反面、短期間で結果を出したい人には不向きな可能性がある。
どんな人に向いているか
文法の応用力を高め、複雑な英文をスムーズに読めるようになりたい学習者。
独学で効率よく学びたい高校生
基礎から応用まで段階的に学びたい人
この教材は、ただ解くだけでなく、演習プロセスを重視することでリーディング力を飛躍的に向上させたい高校生に最適です。特に、基礎文法がある程度固まっており、「英語が読める感覚」を手に入れたい人におすすめです。
役立ちそうな教材ばかりニャン
自分のレベルと必要性を考えて選ぶと良いよ
まとめ
英検準1級合格に向けて、文法力の重要性は非常に高いです。
試験では直接的に文法問題が出題されるわけではありませんが、リーディングやリスニングの正確な理解、スピーキングでの適切な表現において、文法力が不可欠です。
特に必要とされる文法項目としては、文型、関係詞、仮定法、分詞構文、受動態が挙げられます。
これらは単体での理解だけでなく、複合的な形で出題されるため、高い応用力が求められます。
今回ご紹介した「キク英文法」は、7週間で効率よく文法を網羅できる点が魅力で、中上級者に特化した実践的な学習が可能です。
「真・英文法大全」は深い理解を促進し、英検準1級だけでなく、TOEFLやIELTSにも活用できる応用力を養います。
「読解のための英文法」は、特にリーディングに特化しており、英文の構造理解を徹底的にサポートします。
これらの教材を活用し、文法の基礎と応用力をバランスよく鍛えることで、英検準1級の合格はもちろん、さらに高い英語力を目指すことができます。自分のレベルや目標に合わせた教材選びで、効率的に学習を進めましょう!
英検準1級に合格するために英文法が大事なことがわかったニャン
最後までお読みくださりありがとうございました。
コメント